【エチゼンクラゲ】15年ぶりの大量発生!対馬沿岸で定置網に3000匹

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エチゼンクラゲの大量発生が再び日本の漁業に深刻な影響を与えています。今年2024年、特に対馬沿岸では、一つの定置網に約3000匹ものエチゼンクラゲが捕獲されるという事態が発生しました。このような大量発生は実に15年ぶりのことで、漁業関係者を悩ませています。

エチゼンクラゲとは?

エチゼンクラゲ(Nemopilema nomurai)は、主に東シナ海や黄海、日本海で見られる巨大なクラゲで、直径が2メートル以上、重さが200キログラムにもなることがあります。その大きさと毒性から、漁業や観光に多大な影響を与えることが知られています。
ちなみに学術名の「Nemopilema nomurai」は発見者の日本人に由来します。

大量発生の原因

エチゼンクラゲの大量発生の主な原因として、以下の要因が考えられます。

海洋温暖化

海水温の上昇により、クラゲの成長が促進され、大量発生に繋がっています。温暖化はクラゲの繁殖に適した環境を作り出し、その結果、各地で大量発生が確認されています。

栄養塩の増加

農業や工業からの排水に含まれる栄養塩(窒素化合物、リン酸塩など)が海に流れ込むことで、植物プランクトンが増殖し、これを餌とするクラゲの数も増えるという悪循環が生じています。

過剰漁獲

魚の乱獲により、クラゲの天敵である魚類が減少し、クラゲの数が増えやすくなっています。魚が減ることで、クラゲが競合することなく増殖できる環境が整ってしまいます。

世界でのエチゼンクラゲ大量発生

エチゼンクラゲの大量発生は、主にアジア地域に集中していますが、その影響は他の地域にも波及しています。特に、東シナ海、黄海、日本海では大規模な発生が確認されており、中国、日本、韓国の沿岸地域で漁業に深刻な被害を与えています。

アジア以外でも、メキシコ湾やオーストラリアの北部、黒海、ベーリング海などでクラゲの大量発生が報告されています。これらの地域では、クラゲが漁網を詰まらせたり、養殖場や発電所の冷却装置に侵入したりする問題が生じています。

クラゲの大量発生の原因としては、海洋温暖化、栄養塩の増加、過剰漁獲などが挙げられます。特に、海洋のデッドゾーン(低酸素域)が増加していることがクラゲの生息地拡大に寄与していると考えられています。クラゲは低酸素状態にも耐性があり、他の生物が生き残れない環境でも繁殖することができます​。

漁業への影響

エチゼンクラゲの大量発生は、漁業に多大な影響を及ぼします。クラゲが漁網に大量に入ることで、魚の捕獲量が減少し、漁網が破損するリスクも高まります。また、クラゲの毒により捕獲された魚が商品価値を失うことも少なくありません。対馬沿岸では、一日に3000匹ものクラゲが定置網に入るケースが報告されており、漁師たちはその対応に追われています。この状況は、漁業の収益に直接的な打撃を与え、地元経済にも影響を及ぼしています。
ちなみにエチゼンクラゲはそのままでは食用に適さず、加工品として用いられます。しかし国内では加工費、人件費の方が高くつくのでほぼ食用として用いられることはありません。

対策と今後の展望

エチゼンクラゲの大量発生を防ぐためには、以下のような対策が必要とされています。

海洋環境の保護

海洋温暖化を防ぐための取り組みや、栄養塩の流入を抑制するための環境保護活動が重要です。これにより、クラゲの大量発生を抑制することができます。

漁業の管理

過剰漁獲を防ぐために、漁業資源の持続可能な管理が求められます。魚の資源を保護することで、クラゲの天敵を増やし、自然なバランスを取り戻すことができます。

クラゲの利用

クラゲを有効活用するための研究も進められています。例えば、食材や医療用途としての利用が考えられています。これにより、クラゲの経済的価値を見出し、大量発生を逆に利益に転じることができます。

まとめ

エチゼンクラゲの大量発生は、日本だけでなく、世界的な海洋環境の変動に関連しています。その原因には海洋温暖化、栄養塩の増加、過剰漁獲などが挙げられ、これらに対する対策が急務となっています。今後、海洋環境の保護や漁業の持続可能な管理が求められ、クラゲを有効活用する新しいアプローチも期待されています。

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