劇症型溶血性レンサ球菌感染症（STSS）とは？
劇症型溶血性レンサ球菌感染症（STSS）は、A群溶血性レンサ球菌が血液に侵入し、急速に進行する重篤な感染症です。日常的には「溶連菌感染症」として知られていますが、STSSはその中でも特に致死率が３割と高く、早期発見と即時治療が重要です。
STSSは、1990年代初頭に初めて報告されました。通常の溶連菌感染症に比べ、急速に進行し、全身の多くの臓器に影響を及ぼします。特に、皮膚や筋肉に深刻な損傷を引き起こすことがあり、これが「人食いバクテリア」としても知られる理由です。
STSSの発症リスクは、免疫力の低下や外傷、手術後の感染、風邪やインフルエンザといった一般的な病気からも進行する可能性があるため、注意が必要です。
なお、コロナ後、世界的に増加傾向ですが日本では過去に例が無いスピードで発症者が増えています。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の症状と原因
STSSの症状
STSSの症状は、急激に進行するため、迅速な対応が必要です。以下は、代表的な症状です。
- 突然の高熱: 急激な体温上昇が見られます。
- 激しい筋肉痛: 体のどこかに強い痛みを感じることが多いです。
- 皮膚の赤みや腫れ: 感染部位が腫れたり、赤くなることがあります。
- 呼吸困難: 進行すると、呼吸が困難になることがあります。
- 低血圧とショック状態: 血圧の急激な低下やショック症状が現れることがあります。
これらの症状が見られた場合、速やかに医療機関を受診することが重要です。
STSSの原因
STSSの原因は、A群溶血性レンサ球菌の感染です。この菌は、通常は喉や皮膚に存在することが多いですが、外傷や免疫力の低下により血液に侵入し、全身に感染を広げます。以下のような状況がリスクを高めることがあります。なお、飛沫感染だけではなく接触感染によっても発症します。
- 皮膚の傷や感染: 切り傷や虫刺されが感染の入り口になることがあります。
- 手術や外傷: 手術後の傷口から感染することがあります。
- 免疫力の低下: 糖尿病や慢性疾患を持つ人はリスクが高いです。
- 風邪やインフルエンザ: これらの病気から二次感染することがあります。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の治療と予防策
STSSの治療
STSSの治療は、感染の早期発見と速やかな医療介入が鍵です。以下の治療法が一般的に用いられます。
- 抗生物質の投与: 早期に強力な抗生物質を投与することが重要です。
- 外科的な処置: 感染部位の切開や排膿が必要な場合があります。
- 集中治療: ショック状態や臓器不全に対して、集中治療室での治療が必要になることがあります。
これらの治療法は、迅速な対応が求められるため、疑わしい場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
STSSの予防策
STSSを予防するためには、以下の対策が有効です。
- 手洗いの徹底: 感染を防ぐために、手洗いを習慣化しましょう。
- 傷の消毒と管理: 切り傷や虫刺されは清潔に保ち、早めに消毒することが重要です。
- 健康管理: 免疫力を高めるために、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。
まとめ
劇症型溶血性レンサ球菌感染症（STSS）は、早期発見と迅速な治療が求められる重篤な感染症です。日常の小さな怪我や風邪からも発症する可能性があるため、注意が必要です。家族や自身の健康を守るために、日頃からの健康管理と適切な衛生対策を心がけましょう。
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