はじめに
「ちょっとコンビニまで」と軽い気持ちで車を走らせたら、あれよあれよという間に雪が降り積もり、気がつけば完全に埋もれてしまった——そんな恐怖体験、ニュースではよく聞きますよね。でも、実際に自分の身に降りかかるとは思っていなかった……。
まさかとは思うでしょうが、そういう人が毎年何人もいるんです。「まさかこんなに積もるなんて」「通れるはずだった道が」「少しの間なら大丈夫と思った」——冬の雪道では、こうした“ちょっとした油断”が死に直結します。
それにしても、困ったことに「危ないからやめておけ」と言われたところで、人間はなぜか「自分だけは大丈夫」と思ってしまうもの。会社の上司が「急ぎだから」と言えば、妙な責任感が湧いて出社しようとし、家族から「帰ってこなくていいよ」と言われても、なぜか帰ろうとする。大雪の日に車を出す人の心理とは、不思議なものです。
しかし、ロマンや根性ではどうにもならないのが自然の怖さ。雪は忖度してくれませんし、無茶な運転をしたところで、最終的に立ち往生するのは目に見えています。それでも「ちょっとくらいなら」と車を出してしまうあなたのために、今回は「万が一、車ごと雪に閉じ込められた場合にどうするべきか?」を徹底解説します。油断して命を落とさないよう、しっかり学んでいきましょう。

豪雪で車が埋まった!やるべきこととNG行動
パニックにならず、まずは状況を確認する
雪に埋もれたとき、最も危険なのはパニックに陥ることです。慌てて無理な行動を取ると、状況を悪化させるだけでなく、命を危険にさらす可能性があります。まずは冷静になり、周囲の状況を確認することが重要です。
- ドアが開くかどうかを確かめる(完全に埋まっていない場合は脱出の可能性あり)。
- 携帯の電波があるかを確認し、通報できる状況なら早めに救助要請をする。
- 車の燃料残量をチェックし、エンジンをどの程度使えるかを把握。
やってはいけないこと
- 焦って無理にドアを開けようとする(雪崩やドアが壊れる危険あり)。
- 無闇に歩いて助けを求めに行く(視界不良や低体温症のリスク)。
排気口(マフラー)の雪を除去する
エンジンをかける場合、排気口が雪で塞がれると車内に一酸化炭素が充満し、最悪の場合は中毒死につながります。定期的に外に出て排気口の除雪をしましょう。
やってはいけないこと
- エンジンをかけっぱなしにする(燃料切れや一酸化炭素中毒のリスク)。
- ドアを開けて放置する(雪が入り込み、車内の温度が急激に下がる)。
体温を維持する
雪に閉じ込められたとき、体温の維持は生死を分ける重要な要素です。寒さが長時間続くと、低体温症に陥り、判断力が鈍ってしまいます。極端な寒冷環境では、適切な防寒対策を取ることで生存率を大幅に向上させることができます。
- できる限り車内の暖気を保つため、ドアや窓の開閉を最小限にする。
- 車内にある毛布や衣類を活用し、防寒対策をする。
- ペットボトルの水を体に密着させておく(凍結防止)。
やってはいけないこと
- 体を動かさずにじっとしている(低体温症の危険)。
- アルコールを飲んで暖を取ろうとする(実際には体温が奪われる)。
救助要請と居場所のアピール
雪に閉じ込められた際、救助を待つことが最も安全な選択肢となる場合があります。そのためには、迅速に救助要請を行い、自分の居場所を明確に知らせることが重要です。適切な手順を踏めば、救助がスムーズに進み、危険な状況を回避しやすくなります。
- スマホが使える場合はすぐに110番またはJAFなどに連絡。
- 車の屋根や窓から外に向けて目立つ色の布を掲げ、視認性を高める。
- 夜間は車内灯を点灯しておく(バッテリー消費に注意しながら)。
やってはいけないこと
- 無闇にクラクションを鳴らす(バッテリーの無駄)。
- スマホのバッテリーを無駄に消費する(救助要請時に必要)。
事前の準備や予防策
冬のドライブには「もしもセット」を常備
冬の道路は予測不可能な危険が多く、いつ何時トラブルに見舞われるかわかりません。そのため、事前に備えておくことで、いざというときの生存率を高めることができます。特に大雪で立ち往生した際には、適切な装備があれば安全に救助を待つことができます。
冬の車移動では、以下のアイテムを必ず携帯しましょう。
- スコップ(小型の折りたたみ式でもOK)
- 毛布または防寒シート
- 非常食(チョコやナッツなど高カロリーなもの)
- 水(凍結防止のため保温できる容器推奨)
- ポータブル充電器(スマホ用)
- 懐中電灯と予備電池
- 着替え(特に靴下と手袋)
- ホイッスル(助けを呼ぶため)
車のメンテナンスを怠らない
冬の道路は過酷な環境であり、車のメンテナンスが不十分だと故障や事故の原因になります。特に豪雪地域では、適切な整備を行うことで、立ち往生や危険な状況を未然に防ぐことができます。日頃から点検を欠かさず、安全な走行を心がけましょう。
- 冬用タイヤの装着は必須。
- バッテリーの点検(寒さで弱るため、早めの交換を検討)。
- ガソリンは常に半分以上をキープ(燃料が少ないと動けなくなる)。
天気予報をこまめにチェック
冬の天候は急変しやすく、予想以上の降雪や吹雪に見舞われることがあります。事前にしっかりと天気予報を確認し、危険な状況を未然に防ぐことが大切です。特に長距離移動を計画している場合は、天候の変化を常に把握し、安全なルートを選択することが重要です。
- 雪が降りそうな日は極力運転を控える。
- どうしても運転が必要な場合は、事前にルートを確認し、避難場所も把握しておく。
- 家族や知人に「何時にどこに行くか」を伝えておく。

まとめ
冬のドライブは油断すると命に関わる危険な状況に陥る可能性があります。特に豪雪で車が埋まった場合、慌てず冷静に対処することが重要です。
- まずは状況を確認し、むやみに動かない
- 排気口を確保し、一酸化炭素中毒を防ぐ
- 体温を維持し、救助を待つための準備をする
- 事前の備えをしっかり行い、リスクを減らす
もしものときに備え、日頃からしっかりと準備をしておきましょう。無事に冬を乗り越えるための心構えを忘れずに!
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